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マリクが本編でカミィに抱く感情について



マリクがカミィに抱いてる感情は「庇護欲」であり、恋愛感情ではありません。

二二話から引用します。

>「好きだっつっても、別にあいつを嫁にしたいとかそういうんじゃねーんだ。俺に妹がいたらあんな感じかなって」

つまり、異性としてではなく、どちらかというと親身な感じであると示唆しています。
兄妹の関係で恋愛対象として見ることは、基本的には無いことです。(ごく一部では有りますが)

>はじめてあいつと出会ったとき、俺は孤独だった。スラムじゃ裏切られてばっかだったから。たまたま出会ったあいつが向けてきた純粋な信頼が、俺は嫌いじゃなかった
とあるとおり、「裏切られてばかりだった」彼が、「打算なく純粋に寄せられた信頼」に、何か思うことがあったのだと思います。
そうして「なんだか気になる」うちに、

>「俺はもしかしたら、自分が歩めなかった幸せな人生ってやつを、勝手にあいつに重ねてるのかもしれない。周りに大事にされてきたあいつを心のどこかでうらやましいと思って、自分を重ねて、その幻想を守ろうとしているのかもしれない」

心理学で言う「防衛機制」というものらしいです。 つまり、カミィを幸せにすることによって、自分が幸せになったかのような感覚を得ようと【無意識で】しているのです。



作中作「ももいろのまると〜」の絵本を二回に分けた意味



ももいろのまるとすばやいはりねずみ の内容を二つに分けて差し込んだのは、
トーマスの生い立ちを聞いてカミィが決意を固める心理の理由付けでもあるけど、
もう一つ理由がある。

カミィは、自分が「ももいろのまる」になろうとしたわけだけど、
トーマスにとってはすでにゲツエイというももいろのまるが存在していたのだ。
というある種の皮肉も込められている。



心の隙間を埋めたものは何か 解説



物語において、トーマスは、最後まで、トーマスでした。

トーマス、もともとは多分、普通の感覚をもった人だったんです。
だけれど、環境によって心にぽっかりと穴が空いてしまって。
その穴が、愛で埋まればワンチャンあったのかもしれない。
トーマスはカミィに対して、「こいつは使える」という、道具的な意識しか持ち合わせませんでしたが、
もしそこに、1ミリでも何かそれ以外の気持ちがあれば、国が救われて幸せになる道があったのかもしれない。

でも、トーマスの穴は、カミィと出会うより前に、ゲツエイが埋めてしまった。
トーマスの心の、カミィがもしかしたら入り込めたかもしれない部分に、ゲツエイが先に蓋をしてしまった。
トーマスはゲツエイのことも「道具」として見てますが、自分で意識してない深層心理で少し依存しているところがある。
カミィや、その他の人に対する「道具」の扱いと、ゲツエイの「道具」の扱いに差がある。

ジュンイチも他者を「実験道具」として見ていたけど、もう少し心に開いているところがあって、
そこが天才と、普通の人の差ではないか。
ジュンイチは周りがオープンだったにもかかわらず、自ら孤高の選択を知らず知らずのうちにしてしまっていて、
トーマスは逆に、周りが閉じてしまっていたから、自分の心をうけとめてくれる人がいなくて徐々に閉じていって。

だから、ジュンイチのこころは開いたままだったのですが、トーマスの心は閉じてしまって、
そして、僅かな隙間にもゲツエイが入ってしまって、そこで完結してすでに出来上がってしまっていた。

そしてマリクは、心の隙間を、防衛機制によって自分自身で埋めようとしていた。
だからジュンイチとマリクはこれからも変わっていくだろうし、成長(というのかはわからないけど)、変化の余地があり、トーマスにはそれがもう無い。そこが結末の分かれ道。



失恋直後のジュンイチのようす



カミィがトーマスと結婚したとき。ジュンイチにしては初めての失恋。
彼の理論としては「そういうものは時間が解決する。他のことに打ち込めば時間の経過を早く体感することができ
結果的に素早くこの感情も薄れ、また以前のように戻るだろう」的な思考によって、(マッドな)実験・研究に熱中した。
第十一話の研究員達の会話でちみっとだけ示唆している。



第二五話   ☆そしてふたりでワルツを




ジュンイチはカミィによって大きく人生観を変えられた。

でも「心を動かされた」というのは彼女の意識が無い間の独白でしか語られて無くて、
彼女はそれを知らないまま。

はっきり覚醒して第一声が「トーマス様は……?」という部分。

"たったひとりの人の心を動かすこともできなかった。"
と悔やんでいる彼女の目の前に、まさに、心が動かされた人がいる。
皮肉である。




本文の文体



本編ジュンイチ視点のときはややロジカルめに展開しつつも、
カミィと一緒になってからはちょっとポエム感を増やすとどうだろう。
影響しあってる感じが出せて良いのではないだろうか。
表現しきれるかどうかは別として。
  



ジュンイチの母マリアベル




ジュンイチがああなのは自分のせいだと思いこんでいる彼女。
(ずっと病気で寝ていて母親として何もしてないから)
実際そうではないけれど。

親の決めた相手と結婚して子供をうんで病気になって、何もできずに死んでしまう。
子供は人に関心を寄せることなく、親のことすらもどうでもよさそうにしている。
マリアベルはそれをどう思ったか。

息子に必要とされていない、ということを、死の間際にまざまざと実感させられて。
それでもやっぱり「息子をよろしく」と、人にたくして。
これがいわゆる親から子への無償の愛(アガペー)なのだろうか。

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